給食ひろばの新企画として、幼児期からの正しい食習慣の定着が心身の健全育成を図ると考え、幼稚園給食についても情報発信すべく『幼稚園給食リレーインタビュー★』と題し、各園や給食室の特徴、給食・食育の様子や、職員の方々を紹介していきます!
第2弾の幼稚園は愛知県岡崎市にある 学校法人蓑川学園竹の子幼稚園 を取材しました!
第1弾で訪問したあさひこ幼稚園のご紹介で、このようなご縁をいただきました。
ここの幼稚園は、園内の中心に完全電化施設の調理室があり、毎日出来立ての給食を提供しています。
朝から園内に、いい香りが漂います。
今日はなんの給食かな~?
香りの正体は、この鮭なのです!
本日の献立の1つ「石狩ご飯」に使用します。
大量調理だと鮭フレークを使うところ、
大きな鮭の切り身を香ばしく焼き、丁寧に皮と骨を取り除きます。
このメニュー園児から大人気なんだそうです★
酒と昆布を入れて炊いたご飯と
ゆでたみつば、ごまと共に鮭を混ぜます。(※調味料は鮭にしみ込んだ甘塩味のみ!)
毎日美味しい給食を作ってくださっている調理員さんたちと栄養士さんです。
栄養士が本園に来る前は、細かい給食管理が行えなかったそうで、今では個々のアレルギー対応給食の提供がやりやすくなったと、20年以上調理員としてここに勤務されている方がおっしゃっていました。
出来上がりがこちら★
石狩ごはん
ふのすまし汁
みかん
おやつ:りんご
287㎉ タンパク質9.6g 塩分1.1g
だしが効いていて口に広がる風味がとても美味しかったです!
だしをしっかりと取った分、塩分を控えめにしていると管理栄養士の先生はおっしゃっていました。
少し塩分が物足りなく感じる私は、普段の塩分摂取量を見直さないとですね…
今回のすまし汁は、花かつおでだしを取っています。味噌汁の時は、煮干しからだしを取りますが、その煮干しの下処理はなんと園児が行います!役目を終えた煮干しは、おやつとなり、美味しそうに食べているようです。
みかんの皮は天日干しにし、ぬか漬けに使用されます。無駄になるものが1つもありませんね!
子ども達に、好きなメニューは何か聞いたところ「わかめご飯」や「豚汁」など和食が多いことに驚きました。旬の野菜、果物を取り入れ、だしを効かせ、各地の郷土料理や年中行事などの関わりを通して「和食文化」を取り入れた食育推進がされているなと感じました。
お気づきの方もいるかもしれませんが、実は竹の子幼稚園の給食では“牛乳”が出ません。
ネットで調べるだけでも様々な意見がありますが、園の意向として何故牛乳を使用しないのかをご紹介いたします。
牛乳は、子牛を産んだ牛からしか搾乳できません。牛を妊娠させ続けるため、搾乳量を増やすため等にホルモン剤が使用されています。それが人間の体には良くない影響を与えるという意見やデータがあります。カルシウムも牛乳以外のものから十分摂取でき、そもそも「自然ではない」という考えから、本園では牛乳が出されていません。
その代わりに畑で“むらさき麦”の栽培を行い、収穫した麦を炒って麦茶をつくります。
労農体験を大事にし、食べ物が食卓に出される過程をしっかり体験しながら学んでもらいます。
他にも畑では、大根・じゃがいも・さつまいも・玉ねぎなど。プランターではトマトなどの栽培を行っています。現在畑では玉ねぎがすくすくと育っています。収穫が楽しみですね!
無農薬で育てているため、うまく育たないことも多々あります。子ども達はとても残念がりますが、それも学びの一つ。スーパーで売られているような食材ばかりではないことも教えています。
竹の子幼稚園は、食べ物を単なる栄養補給とは捉えてはなく、そこから繋がる様々な教育・文化・成長・交流をとても大事にしていました。何でも簡単に手元に揃う時代だからこそ、目に見えるよう体験活動をし、食材に対する関心を高めていきます。園長先生は、給食は親の“弁当を作る”仕事を肩代わりし、楽しんでもらうために給食を提供しているわけではなく、あくまでも“食べ物の基本”を教える教育のためと強くおっしゃっていました。
皆さんはどんな“食育”をされている/したいですか?
是非、ご意見をお聞かせください。
最後になりましたが、今回取材に応じていただいた竹の子幼稚園に心より感謝申し上げます。
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