11月7日金曜日から11日火曜日までの5日間、鴻巣市の学校給食展が市内の鴻巣市文化センターで開催されました。
埼玉県にお住まいの方には「運転免許センターがあるところ」といえばわかりやすいのですが、他県の方にはなじみが薄いかもしれません。 鴻巣市は、埼玉県の東部中央、大宮台地の北端に位置する人口約11万8千人の市です。 雛人形と花のまちとして知られています。 そんな鴻巣市が週末を挟んで4日間の学校給食展。 平日がよい方、週末がよい方どちらにも優しいスケジュールとても助かります。 開催するほうは大変ですよね。
小学校は小学校18校が単独調理、旧吹上町の1校は民設民営の調理場からの配送です。 中学校は全8校鴻巣市中学校給食センターから提供されています。 吹上小学校を除く18校、中学校それぞれで市内統一献立となっています。 給食費は小学校が月額4,100円1食単価242円、中学校は月額4,600円1食単価275円です。 吹上小学校も平成27年度から自校式給食が開始される予定です。
訪問したのが平日だったからでしょうか、文化センターは比較的静かでゆっくり見ることができました。 展示は、鴻巣市学校給食のあゆみ(パネル、食器等の展示)、学校給食人気メニューの紹介、鴻巣市地場産野菜やパンの展示、学校給食衛生の取り組みなどです。
お箸の達人になりましょう。 チカラ入っていました。 フェルトで手を立体的に作り、お箸の持ち方を解説していました。 良くない持ち方も図説してあり、さしばし、ねぶりばし、まよいばし、つかみばし、交差ばし、いろいろあるんだなぁ、と感心します。
豆つかみゲームもありましたが、今回は挑戦しませんでした。
地域によって様々な学校給食の歴史があります。 今回は1954年に旧鴻巣町に編入された馬室村の終戦直後の記録がありましたので勉強してきました。
ララ物資の給食が行き届いたのは昭和23年のことです。 馬室の児童は体格も小柄で全国標準体位、県の平均よりも劣っていました。児童の実態を知った府警からも話が持ち上がり、体育振興と食生活の改善に取り組もうと心がけたものの、なかなか進みませんでした。
昭和22年12月になり、ようやく児童各家庭から大豆、小麦1升ずつ寄付をつのり地元の醤油屋さんに依頼して味噌を作ってもらいました。給食室は青年学校時代の銃器質、牛小屋を改造しました。 物資の収集は当番を組織し、個別に野菜や燃料をを割り当て、児童が持ってきたり、父兄が持ち寄ったりしました。
調理はPTAに依頼、味噌汁給食が始まりました 当時は素足に下駄を履いて登校し、教室にはストーブもなく寒々としていました。 こんな時期に一杯の温かい一杯の味噌汁。 中身は季節毎にとれた大根、葱、白菜などの野菜が主体でした。 出汁の効いていない味噌汁ですが、忘れることにてきない思い出の味噌汁の味になったことでしょう。
昭和23年、極東食糧補給委員会から、ララ物資である、脱脂粉乳、コンビーフ、トマトケチャップの無償配布を受けることになりました。 ところが、それらは体力増強のカロリー源にはなったものの、野菜を主に摂っていた多くのひとたちが口に合わず、捨てられることも多かったそうです。
今では地場産野菜も多く学校給食に取り入れられています。 芋や白菜が葱がドーンと置いてありました。 畑作が盛んなようです。
展示はこのほかに、 大型調理機器の体験コーナーや、給食調理員さんになってみようという面白いうコーナーもありました。 この種の展示は子供たちにとても人気があると思います。
おっ、と思ったのが給食用パンの展示です。 小学校の低学年、中学年、高学年、中学校、それぞれ、給食パンの大きさが違うことをご存知ですか? それぞれの学年の摂取量に合わせて作られているんですね。 たくさんの種類のパンを展示するよりも、こうした比較展示をするほうが、保護者が見たときに「へぇぇぇ」っとなります。 とても良い展示がと思いました。 参考にしてみてください。
それにしても、栄養士さんの考え方がわかる各地の学校給食展、楽しくて勉強になります。 また、学校給食の歴史だってそれぞれ地域によって違いがあります。 そこらへんも比較していくと興味深いです。