11月20日(木)と21日(金曜日)の2日間、山口市民会館と市内6会場において第65回全国学校給食研究協議大会(山口大会)が開催されました。
この大会は文部科学省、山口県教育委員会、山口市教育委員会、全国学校給食会連合会他の主催で行われ、全国から学校給食実施校の校長、栄養教諭、栄養職員、調理員、教育委員会、その他学校給食・食育関係者の約700人が参加して行われました。
20日の全体会では、学校給食優良校等文部科学大臣表彰式も行われます。 文部科学省では、学校給食の普及と充実を図るため、その実施について優秀な成果を上げた学校や給食センターを学校給食優良学校等として、個人・団体を学校給食功労者として表彰しています。
今回、平成26年度の学校給食優良学校等として学校23校と協同調理場6場、学校給食功労者として個人22名と1団体が表彰され表彰状の授与行われました。 おめでとうございます。
文部科学省説明では、文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長の大路課長が約30分間、学校給食行政についての説明をされました。 内容は夏の福井大会とさほど変わりはありませんでしたが、枕に何を話されるのかなぁと注目をしておりました。
今回の枕は阿刀田高の著書にあった居酒屋での「なぜ酒を飲むのか」という会話のシーンの話を引いて、「目的と手段を逆転して物事を見ることも必要なのではないかと考えるようになった」というお話でした。
自分達は子供に「本を読みなさい。勉強をしなさい」という。 そこには「なぜ本を読まなくてはならないか、なぜ勉強しなくてはならないのか」を考え説いて いるが、「本を読むことは楽しい。勉強することが楽しい。」と感じてもらえるようにするのが、私たちの役割ではないか、とあらためて考えるようになった、 というお話です。
そして、給食の時間が楽しいと思えるようになれば、食育の成果も著しく向上し、子供たちのためになるのではないか、として会場の参加者に向けて訴えていました。
本編のお話では、食育推進基本計画の中の学校給食の役割において、現在、周知から実現へのフェーズにあることと、12月に改定され、国産食材の利用を現在の77%から80%へ引き上げる目標が加筆されたことの説明がありました。 そして、食育の充実という展については、栄養教諭の配置数は現在約5000人と増えているものの都道府県によってばらつきがあり、少ない自治体を対象に本省から直接出向いてお願いをしていることを強調されていました。 栄養教諭制度が導入され今年から免許更新講習が行われている点について忘れないよう助言がありました。
今年度から文部科学省の事業として始まったスーパー食育スクールでの成果を共有するための食育野教科書作成についても触れ、国内全体で食育の充実を図っていることの説明がありました。
また、学校給食の実施状況についても、学校給食法第2条にある「学校給食の目的」に照らし、その実施率向上に向け、補助金算出のための基準面積の改定を行い、実施率の向上を支援していることについても話しておられました。
学校給食における食中毒については、以前と比較して格段に少なくなっているが、なくなってはない現状について触れ、給食室・センター室内だけでなく、パンなどの外部へ委託している部分についても一層目を配るように指摘がありました。
さて。
食物アレルギーへの対応ついては、一昨年に調布市で起きた事故以降、有識者会議での検証と検討を経て文部科学省としても方向性を示しているのですが、今年度は各自治体がアレルギーの事故への対策に取り組みを始めている状況を鑑み、①ガイドラインの徹底、②複雑な対応をしない、③組織的な対応、の3点に留意いただきたいと強調されていました。
特に、本省から各市町村の食物アレルギーの対応を見ていると複雑にしすぎていないか、という懸念があるようです。 この点について、本省においてもガイドラインの中での「これだけは押さえて」というポイントを絞った冊子を現在作っていることを言われていました。
余談として・・・いや、余談ではないかもしれません。 食物アレルギーでの事故、あるいは今年6月に施行されたアレルギー疾患対策基本法を受けて、子供のアレルギーを検査する団体が設立され、そこで検査を受けた子供が今まで何もアレルギー症状もなかった食べ物までアレルゲンとして指摘され学校に相談だあったという事案を紹介していました。 文部科学省としては「医師」の診断を仰いでほしいという注意喚起です。 文部科学省では平成25年3月の「新年度の学校給食における食物アレルギー等を有する児童生徒等への対応等について」という文書において「学校給食のアレルギー対応は、あくまでも医師の診断と指示に基づいて行うものであり、保護者の希望に沿ってのみ行うものではない。」としています。 保護者の方におかれましてもご注意ください。
大路課長は、説明の最後に、ご自身のコメントが記載されいるワシントン・ポストの記事の話をして、日本の給食について内外に発信してほしいというコメントで話をまとめておられました。
大会2日の分科会の様子は次のレポートでお伝えいたします。