1月21日水曜日、東村山市の学校給食展示会へ行ってきました。 東村山市立の小学校では、全15校にて自校調理、独立献立の学校給食を実施しており、また中学校は弁当併用外注方式のスクールランチで、家庭からのお弁当か、スクールランチかを自由に選べる予約選択制の給食を実施しています。
考えてみれば学校給食展示会は、そもそもそういうことなのかと。 小学校全15校と中学校のスクールランチ2種類、全部で17食分、前日の献立実物が全て展示されていたのです。 ガツンとやられた感じがします。
企画したひとすごいです。 それに応える栄養士さんもえらいです。
それぞれの給食に献立紹介とコンセプトの説明資料がついているので、それも4日間差し替えることになります。月曜日の給食を火曜日に展示するので、会期は火曜日から金曜日までの4日間なわけです。 同じ日に出た15種類の実物の給食を一度に見るというのはインパクトあります。
今日は平日なのでママ友が2、3人で見に来るというケースが多かったように思います。 みなさん見比べながら「あーこれ美味しそう」と話が弾んでいました。
パンの給食もあります。今日の展示では8校が米飯給食、7校がパン、麺の給食です。 写真の献立は、カレービーンズドッグ、千切りポテトサラダ、イタリアンスープ、牛乳です。カラフルな料理は食欲も増し華やかで楽しい給食になります。
今日展示されていた給食献立は、小学校では米飯が8食、パンと麺が7食でした。 そして、これでもか、と言わんばかりの手作りと判るおかずの数々。 なんだかくやしくなってきます。 各地の学校給食展もいろいろ見学させていただいていますが、敗北感を味わうのは初めてのことです(笑。
学校給食の目的とか、当該市町村の給食の歴史とかは一応ありましたが、冊子資料のコピーを貼ってあるだけでしたし、スパテラなの調理器具や回転釜の展示も無し、クイズもゲームコーナーもありませんでした。 各校の給食と食育活動のポスター展示で直球勝負。
やられたなぁ、という感じました。
各小学校の食育活動のポスター展示です。 ここでも献立同じように十人十色。 15人の栄養士さんが、その学校で取り組んでいる食育についてまとめておられるのですが、それぞれポスターの作り方も特色があって興味深いです。
こちらのパネル展示は、学校給食を家庭にある食器に載せたらどう映る?というものです。 とても美味しそうです。 やはり、食器も美味しさを演出する重要なファクターと言えるでしょう。
なお、全ての小学校で給食食器に軽量強化磁器を使っています。 また食器の種類も学校によってそれぞれ違います。
東村山市の学校給食では、姉妹都市である新潟県柏崎市の「こしいぶき」を使っています。 親は「ひとめぼれ」と「どまんなか」でコシヒカリ早生品種です。 東村山市が東京都学校給食会に発注しているのはパン、麺、飛び魚などのおかず類。
米飯は姉妹都市である新潟県柏崎市の農協から独自に仕入れており、東村山市内の米穀業組合が精米して学校に届けています。
東村山市の小学校、中学校とも牛乳は低温殺菌牛乳です。 2012年9月から群馬県太田市にある東毛酪農業協同組合より納入してもらっています。 それまでは学校給食会経由だったのですが、放射能測定結果を開示している当酪農組合の牛乳に切り替えたという経緯があります。
この牛乳、東毛酪農牛乳は学校給食会を通さないため1本50円です。従来の東京都学校給食会を通すと補助があり1本約45円となります。 もちろん給食費を圧迫することになります。 東村山市の給食費は1食当たり低学年236円、中学年257円、高学年278円です。牛乳代の5円差は大きいけれど、それを選んだということです。
主食であるコメ、牛乳とも学校給食会を経由しない調達を行うのはとても珍しいことです。
珍しいと言えば、東村山市の学校栄養職員。 各小学校に配置されている15人の学校栄養職員は全て市費の正職員です。 都費の学校栄養職員はいらっしゃいません。 つまり栄養教諭の配置もありません。 産休などがあれば臨時職員を充当しますが基本は正職員です。 これも東京都ではとても珍しいことです。
さて。
冒頭に書いたとおり、東村山市の中学校はいわゆるデリバリー給食です。 この弁当併用外注方式のスクールランチも展示されていました。 現在の利用率は約60%なのだそうです。 選択制で1週間前まで予約ができます。 1日ずつの予約も可能です。 パネル展示もあり、このデリバリー給食がどのようにして調理されているかを説明されていました。
このスクールランチ、献立が1日2種類あります。 主菜が異なり、ご飯と副菜は共通です。 東京都の「栄養所要量基準」に基づき市教委の栄養士が献立作成して食材も調達しています。
テレビでも何かと話題のデリバリー給食。 これまで東村山市の小学校の給食は、自校調理で、独立献立で、栄養士が各校配置されていて、手作り感満載な学校給食を紹介してきましたが、中学校はデリバリー給食です。 従来品よりも5円も高い牛乳を選んだ東村山市ですが、中学校の給食はご飯は温かくておかずは冷たいです。 汁物はありません。 そういう選択をしたのです。
意外ですか?
もしかすると、東村山市は小学校で学校給食による食育を完成させようとしているのかもしれません。 市の財政状況により各事業の優先順位がつけられます。 できることとできないことがでてきます。 その優先順位の中でできること、そしてそのベストが何かを模索しているように思えます。
ところで、今日はこのスクールランチの試食会がありました。 張り切って10時前に到着しましたが、食券販売は11時45分。 先着40食まで。 大丈夫でした。
今日の献立は、ご飯、いかのクラッカー揚げ、イタリアン麻婆豆腐、ちりめんサラダ、りんご、牛乳です。 もうひとつの献立は「いかのクラッカー揚げ」ではなくて「とびっこハンバーグ」です。 副菜は共通です。
ふと見ると、試食会場にもママ友さんグループが大勢いらっしゃっていました。 ママ友さんは食べながら感想を話しておられましたので、じーっと聞き耳を立てておりました。
「問題ないじゃない(笑」と。 あの・・・、問題になっていたのでしょうか(笑? 「これだけの弁当作ろうったって無理よねぇ。」という方もいらっしゃいました。 評価はいろいろあるでしょう。 やっぱりおかずは冷たいですから。 ママ友さん方はお喋りしながらのんびり食べていらっしゃいましたが、生徒は20分で食べています。 4時限目が終わると「給食係」が給食受入室で、お箸やスプーンのカトラリー類、ご飯、おかず、牛乳、ある日はデザートを受け取り、教室へ運びます。
スクールランチの試食会は、今回の学校給食週間に合わせた機会だけでなく、各学校でもPTA主催でも行われているそうです。
学校給食展示会の会期中、中学校のスクールランチは今日だけですが、展示会は23日金曜日までやっていますので、是非ご覧になってください。