鈴鹿市では、全国学校給食週間(毎年1月24日~30日)に、毎年テーマを決めて特別献立を実施し、給食についての理解と関心を深める取り組みを行っています。
今年の中学校給食のテーマは、『伊勢志摩サミット開催記念 ~実はそれ、ぜんぶ三重なんです!~』。こちらを取材させていただきました。
今年5月26日、27日に、三重県志摩市で主要国首脳会議(サミット)が開催されます。それを記念し、全国学校給食週間期間中は、食をとおして三重県の良さを改めて知ることができるような献立を作成されていました。自分達の住む三重県を、北から南まで食でめぐりながら学べることができるように考えられています。丁寧な資料や献立表も全生徒に配布されます。
三重県は、海・山の豊かな自然に恵まれ、魅力的な食材がたくさんあります。それらを豊富に使用し、三重県の特産品、名産品を、各地域ごとに紹介されています。給食をいただきながら、楽しく、美味しく、学ぶことができますね。鈴鹿市では日頃から地産地消に力を入れており、給食で出されているごはんは鈴鹿市産コシヒカリ、牛乳は三重県産を使用しているそうです。また中学校給食では、1月の生鮮野菜の市内産活用割合が重量比で34.9%だそうです。
【全国学校給食週間期間中に使用される各地域の食材をご紹介】
1月25日(月)…北勢地域の食
:三重なばな、伊勢茶
1月26日(火)…鈴鹿市の食
:卵、のり、こうなご、大豆、日の菜
1月27日(水)…中南勢地域の食
:松阪牛、嬉野大根、ヨーグルト
1月28日(木)…伊勢志摩の食
:たこ、伊勢ひじき、あおさ
1月29日(金)…東紀州の食
:ぶり、高菜、南紀みかん
1月29日(金曜日)、鈴鹿市立平田野中学校を訪問させていただきました。
給食の時間には、1年3組の教室を訪問。身だしなみを整え、協力して手早く準備が整います。
本日の献立は、『ごはん、牛乳、尾鷲産ぶり大根、熊野高菜の炒め物、白菜のうま煮、南紀みかん』です。準備が始まると、教室中に給食の良い香りが漂いました。いただきます!の元気な挨拶と同時に、おかわりの行列ができました。食事の様子から、活気と仲の良さを感じます。
給食についてインタビューをさせていただきました!
『全国学校給食週間の期間中で、一番心に残った料理は何ですか?』の問いに、声が多かったのは「松阪牛のしぐれ煮」、「伊勢茶うどん」、「こうなご入りフライビーンズ」、「鳥羽産たこのから揚げ」、「嬉野大根のそぼろ煮」でした。松阪牛が給食に登場するとは!羨ましいですね。
『三重県各地の特産物、名産品を教えてください』との問いには、口々に「たこ」や「なばな」等とたくさんの食品を答えてくれましたよ。
『今年サミットが開催されますが、サミット参加国の料理、海外の料理にも興味がありますか?』との問いには、「僕は洋食が好きだから、海外の食事に興味がある。」、「やっぱり和食が一番好き!」と、それぞれの意見を聞かせてくれました。
『全国学校給食週以外の給食で、好きな料理は何ですか?』の質問では、人気順に1位:カレー、2位:うどん、3位:揚げパンでした。うどんが好きだという意見が多く、私も食べてみたいなと思うほど、嬉しそうに話してくれる皆さんの表情が印象的です。配布されている2月分の献立も念入りにチェックしており、給食を楽しみに待っている様子がうかがえました。
私も後ほど試食させていただきましたが、どの料理もとても美味しい!個人的に、ぶり大根が特に美味しく、レシピを教えていただこうと思うほど。地域の生産者さんが思いをこめて作られた食材で、調理員さん達が一生懸命作ってくれている給食、とてもありがたいですね!
学校を後にして、鈴鹿市第二学校給食センターの見学へ。
こちらでは、平成27年5月1日から鈴鹿市内の公立中学校10校分の給食(約6,500食)を調理しているそうです。
安心・安全な学校給食を提供するため、HACCPの概念に基づいて設計されているため、衛生管理が徹底された施設です。また、アレルギー対応調理室を設置し、最大100食まで対応可能とのこと。
見学コースから、調理場内を見ることが出来ました。こちらは下処理室です。
検収室で食材を点検後、献立別に仕分け、野菜をきれいに洗う等の作業が行われます。野菜は3回、丁寧に洗浄されます。
上処理室です。
汚染作業区域である下処理室と清潔作業区域の上処理室は、それぞれが個別の部屋になっており、作業済の食材の受け渡しを安全に行います。
この後、煮炊き調理室等へ運ばれ、加熱調理が行なわれる流れになります。とても清潔に保たれた調理室でした。
見学コースには、生徒が描いた給食のイラストが飾られていました。各学校ごとに提供していただいたポスターを、給食を配送するトラックにラッピングしているとのことです。給食配送用トラックにも、温かみを感じられますね。
『伊勢志摩サミット開催記念 ~実はそれ,ぜんぶ三重なんです!~』
全国学校給食週間期間中の献立を全て紹介致します。
1月25日(月)…北勢地域の食
1月26日(火)…鈴鹿市の食
1月27日(水)…中南勢地域の食
1月28日(木)…伊勢志摩の食
1月29日(金)…東紀州の食
驚いたのは、牛乳です。鈴鹿市学校給食用の牛乳は、大内山酪農農業協同組合に依頼し製造してもらっているそうで、大内山酪農農業協同組合の農家がしぼった生乳だけを使用し、高温短時間殺菌法(HTST)を用いて製造しています。72℃~85℃で15秒間以上加熱殺菌するそうです。低い殺菌温度での加熱は、牛乳に含まれているたんぱく質の熱変性を抑えられるため、牛乳本来の自然に近いサラッとした味となり独特の香りが押さえられていました。
また、牛乳パックのデザインは、市内の中学校に在籍する美術教諭が描いたとのこと。鈴鹿市の学校給食が隅々にまでこだわって作られていることを知り、大変驚きました。
鈴鹿市の中学校給食では、加工品は用いず、地域の安心・安全な食材を用いて作られていました。6,500食もの料理を全て手作りで調理されていることに、大変驚きました。また、鈴鹿市第二学校給食センターには栄養教諭3名が配置されており、美味しく栄養豊富な給食が提供できるよう、給食が生きた教材となるよう、日々努力されている様子がうかがえました。
全国学校給食週間をとおして三重県の優れた食材、文化を学んだ中学生の皆さんには、これらは世界に誇れる食文化として胸に刻んでおいてほしいですね。
鈴鹿市教育委員会事務局 学校教育課をはじめ、鈴鹿市立平田野中学校の皆様、鈴鹿市第二学校給食センターの皆様、お忙しい中ご親切に対応して下さり、本当に有難うございました!