今年5月26日、27日に、三重県志摩市で主要国首脳会議(サミット)が開催されます。
三重県亀山市の中学校給食では、伊勢志摩サミット開催記念献立として『サミット給食』を実施しています。サミット参加国の料理を献立に取り入れ、各国の料理を楽しむことが出来る楽しいイベントです。
亀山市の中学校給食は、1校においてセンター方式による給食を実施し、2校においてはデリバリー方式による給食を実施しています。
デリバリー方式とは、献立の作成を市の管理栄養士が行い、給食の調理 、配送、食器の回収・洗浄・保管を業者に委託する方式です。
デリバリー給食の注文は、インターネットから予約することができます。また、生徒の皆さんにバランスのよい食事摂取を意識して選択をしていただけるように、亀山市では毎日メイン料理を2種類用意しています。食事を選択する中で、心身の成長期である中学生のみなさんに、小学校で学んだ食育を活かしてよりよい食生活を自ら実践する力を身につけていただけるよう考えられていました。
また、「デリバリー方式による給食の注文」と「家庭からの弁当持参」の選択性となっています。
こちらは、給食を運ぶ保温カートです。
亀山市は保温カートによる配送を行っており、 温かいものは温かく、冷たいものは冷たく食べることができます。 温かいご飯やスープ、冷たいゼリーやサラダなどを、適温でおいしく食べることができます。
5月11日(水)、亀山市立亀山中学校を訪問させていただきました。
お昼の時間になると、注文数のお弁当を、各クラスごとにセッティングしています。午前の授業が終了し、生徒の皆さんが、「こんにちは!」と清々しい挨拶で出迎えてくださいました。
1年4組の教室を訪問しました。教室に到着すると、係りの生徒が素早くお弁当を配り準備が完了します。準備が整ったところで「いただきます!」の元気な挨拶で食事が始まりました。給食や、持参したお弁当の蓋を開けると、教室中に良い香りが漂いました。
本日の「サミット給食」はイギリスの伝統料理です!
それでは、本日のメニューをご紹介します。
【ランチA】
スコッチエッグ、フライドポテト、玉ねぎのソテー、コロネーションサラダ、ベイクドビーンズ、白飯、牛乳
「スコッチエッグ」とは、殻をむいたゆで卵を、塩コショウなどで調味した豚肉や牛肉の挽肉で包み、小麦粉、溶き卵、パン粉を衣としてつけてから揚げたものです。
【ランチB】
フィッシュ&チップス、玉ねぎのソテー、コロネーションサラダ、ベイクドビーンズ、白飯、牛乳
「フィッシュ&チップス」とは、白身魚に衣をつけて揚げた料理と、ジャガイモを揚げたものです。イギリスのフライドポテトは、アメリカに比べて太いのが特徴のようです。
「玉ねぎのソテー」 「コロネーションサラダ」 「ベイクドビーンズ」
「コロネーションサラダ」とは、カレーマヨネーズ風ソースで和えた、まろやかでくせになる味わいのサラダです。
「ベイクドビーンズ」とは、トマト味で甘辛く調理した煮豆です。
後ほど、給食を試食させていただきました!
どの料理も、素材の味や歯ごたえが生かされていて、とても美味しいです。たくさんの食材が使用されていて、栄養満点ですね!イギリス料理ということで、初めて口にする料理もありましたが、食べやすい味付けで美味しく、楽しみながらいただくことができました。
サミット給食を囲み、給食の時間もにこやかに楽しく過ごしていました。ここで、生徒の皆さんに、サミット給食についてインタビューをさせていただきました!
『本日のメニューで、一番心に残った料理は何ですか?』の問いに、声が多かったのは「スコッチエッグ」でした。普段食べる機会の少ない料理なので、皆さん興味津々です!もちろん、フィッシュ&チップスを喜んで食べている生徒さんもたくさんいました。
『サミットについて知っていることを教えてください』との問いには、「首脳が集まって会議する」や「サミットの後は広島へ行くよ」等と口々に答えてくれましたよ。いよいよサミット開催も近づき、興味・関心が高まっている様子です。
『デリバリー給食の注文は、2種類の献立から選択できますが、どの様にして選んでいますか?』との問いには、「お父さんが予約してくれています。」「献立の写真を見て、好きな食材が使われている献立を選びます!」「普段はお弁当を持参している事が多いけど、今回の様なイベント給食の時は注文させてもらうようにしています。」などと、それぞれの意見を聞かせてくれました。
亀山市デリバリー給食を担当している調理員、オーケーズデリカ株式会社 田口友介さんにもインタビューさせていただきました!
「サミット給食に取り組むにあたり、コロネーションサラダを初めて調理しました。管理栄養士さんと念入りに打合せを行い、中学生にも食べやすい様にカレーポテトサラダをイメージして作りました。」
「僕は料理が好きです!給食を通して少しでも食に興味をもってもらえたら、食材本来の味や食の大切さを感じていただけたらという思いがあります。学校給食に携わることができ、とてもやりがいを感じています!!」
普段はにこやかな田口さんも、調理中の表情は真剣そのものです。
「安心安全な給食作りはもちろん、食材本来の味を知ってもらうために配慮して調理しています。野菜は加熱し過ぎると見た目も悪く、食感も落ちてしまいます。美味しい給食を食べていただけるよう、火加減に細心の注意をはらっています。」
田口さんの、給食調理に込める熱い思いが感じられました!
亀山市教育委員会 学校教育室 小林 真理子さんにお話をうかがいました。
「デリバリー給食の献立内容は、栄養バランスや摂取カロリーなど様々なことを考慮して作成しています。たんぱく質源については、魚介類・豆類(大豆製品)を取り入れて成長期に必要な良質のたんぱく質を摂取できるように作成しています。また、野菜類、海藻類を取り入れて、ビタミンやミネラル、食物せんいの確保に努めたり、塩分、脂肪については、適正量におさえるように作成しています。」
「徹底した衛生管理のもと安心安全な食材を用いて調理されてていることはもちろんのことですが、食べる楽しみを与えることができることも大切です。サミット給食を通じて、生徒のみなさんに外国の食文化や世界について興味や関心を持っていただければと思っています。」
美味しく栄養バランスの良い給食が提供できるよう、給食が生きた教材となるよう、様々な工夫をされている様子がうかがえました。サミット給食を通じて世界の食文化を学んだ中学生の皆さん、世界に視野を広げることで、再度、日本の食文化のすばらしさ、三重県の美味しい食材についても気が付くことがあったのではないでしょうか。
亀山市教育委員会 学校教育室をはじめ、亀山市立亀山中学校の皆様、お忙しい中貴重なお時間をいただき、本当に有難うございました!