給食ひろばでは、幼児期からの正しい食習慣の定着が心身の健全育成を図ると考え、幼稚園給食についても情報発信すべく『幼稚園給食リレーインタビュー★』と題した新企画を行っています。幼稚園や給食室の特徴、食育の様子や、職員の方々を紹介していきます!
第3弾は、三重県桑名市の長島学校給食センターと、長島幼稚園にお邪魔させていただきました。
本日は、4歳児クラスにて「お箸の教室」も行われます!
まずは、長島学校給食センターにて、給食調理の様子を見学させていただきました。
長島学校給食センターでは、幼稚園・小学校・中学校給食を合計1340食/日もの給食を調理しています。
揚げ物は連続式フライヤーを使用します。食材を投入する方、加熱後の食材を回収する方、二手に分かれて役割分担をすることで、衛生的・効率的に調理が進められていました。
食材を投入する作業をしている調理員さんは、給食調理に関わって今年で28年目の大ベテランさんです。
揚げ物調理をする際、食材の温度によっては衣の付きやすさが異なります。また、油の温度や揚げ時間で仕上りに大きく差がでます。
美味しく仕上がるようにと、様々な配慮とともに調理員同志の連携を大切に、調理に取り組まれていました。
魚が香ばしく揚がって、フライヤーから出てきました。流石ベテラン調理員さんたち!とっても美味しそうです!
回転釜では、汁物が調理されています。削り節でだしをとった、良い香りが調理室内に漂っていました。
本日は「だんご汁」を調理しています。長島町では、だんご汁といえば、平たいだんごを使用することが多いと教えていただきました。
汁物を担当している調理員さんも、17年目のベテランさん。調理の工夫次第で子ども達が残さず食べてくれる様になるため、嬉しい。調理方法を決める際、「調理員の経験・知恵」と「先生の思い」をすり合わせ、最も良い状態で提供できるように努めていると教えて下さいました。普段から十分なコミュニケーションを重ね、信頼関係が築かれている様子がうかがえました。
仕上りを確認します。
私も、試食させていただきました。
鮭のごま味噌かけは、衣がサクッとしており、ごま味噌が香ばしいです。だんご汁は、だんごのモチモチした食感が良いですね。子どもたちのもとに給食が届くまで、あと少しです。
長島幼稚園へ移動し、いよいよ「お箸の教室」が始まります。
なんと、栄養教諭の奥岡先生が”おはしマン”に大変身‼
おはし星から、子ども達のもとへやってきました!
みなさん、何がはじまるのだろうと興味津々です。
まずは、普段のお箸の持ち方を”おはしマン”が確認します。上手に持てているかな?家でもおはしを使っているかな?
次に、正しいおはしの持ち方を教えてもらいます。
「おはしの、どの部分を持つのが正しいでのしょう?」
一番太いところを持つと思う!と答えてくれた子が多くいましたよ!
そして、まず1本を鉛筆持ちし、動かす練習をしました。
「力をぬいてね、やさしく持って動かすよ」おはしマンが優しく教えてくれます。
「上げて、下げて」を繰り返し、みんな少しずつコツをつかんでいきます。
いよいよ、もう1本のお箸も加えて薬指の上に置きます。
「こっちは、お姉さん指の上で寝かせておいてね。働き物は、お母さん指とお兄さん指だよ。」
いよいよ実践!緩衝材を使った練習の後は、マシュマロとグミも使うことでみんな嬉しそうです♪
「できた~!」「つかめるよ~!」「みて~!」「かんたん!!」「もう1回!」と口々に教えてくれました。
個人差はありますが、みんな上達して小さなグミも上手に口へ運べる子が増えていましたよ。
ここで、おはしマンとさようなら。
「これからも時々、お箸の持ち方を確認しながら食事を食べようね。おはしマンはまた、確認しに来るかもしれないよ~!おはしの正しい持ち方、忘れないでね~!」
「はーい!」「さようなら~!」
ついに!みんな楽しみにしている、給食の時間がやってきました。
給食当番さんが、とっても手際よく準備をすすめてくれます。
・むぎごはん
・鮭のごま味噌かけ
・あおじそキャベツ
・だんご汁
・発酵乳
また、園で栽培し用務員さんが調理してくれた「なばなのお浸し」もいただきます。
水やりなどをして自分たちも栽培に関わってきたそうです。
美味しい美味しいと、一番に食べる子もいました。園全体で、食育に熱心に取り組まれている様子が感じられました。
職員室前には苺も栽培されており、子ども達全員が食べられる程度は収穫できるそうです!
今日教えてもらった内容を思い出しながら慎重にお箸を使っています。
今日の感想を聞いてみると、「楽しかった」、「まだ難しかったけど、家でもがんばれそう!」などと教えてくれました。
これまでにも2度、長島学校給食センター 栄養教諭の奥岡先生を取材させていただいています。給食管理、小学校・中学校への食育に加え、幼稚園への食育も熱心に行われており感銘を受けました。
幼稚園へのお箸の指導は、4年ほど前から始められたそうです。お箸の使い方は、直ぐに定着できるものではなく積み重ねが大切です。しかし、「毎回注意するのではなく、”時々”思い出してもらいたい。楽しく食事をすることが一番大切。」と、奥岡先生自身が子育てを通して様々な気づきがあったこともお話していただけました。
長島学校給食センターや長島幼稚園のみなさん、奥岡先生、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
【過去記事】(下記クリックにて過去の記事が閲覧できます)
・三重県桑名市 長島学校給食センターを訪問。大人気メニュー『キムチチャーハン』の秘密!!
・桑名市立長島中学校の、集会食育授業「和食のよさを知ろう」を取材しました!